2024年6月14日金曜日

浦添市西海岸埋め立てと軍港建設について

 2024年4月21日の沖縄タイムスに、浦添西海岸埋立てについてのアセスメントに寄せられたパブリックコメントの6割強が反対意見であったと報じられた。今回のアセスメントは、西海岸を埋め立てる計画の内の極一部(ビーチの部分)の場所が対象となっている。環境保全や保護、軍事化への反対、理由は色々あるだろうが、私が懸念するのはそもそもの計画性である。

浦添西海岸

 サンエーパルコシティの屋上駐車場から撮影した浦添西海岸である。那覇軍港はこの海を埋立て建設されようとしている。その計画の全体像は以下の通りである。

移設計画全体像(画像直リンク先は琉球新報)

 マリーナの部分には「交流・にぎわい空間」が予定されており、隣にはビーチがある。先述の沖縄タイムス紙面によれば「観光拠点を想定した交流整備施設や臨港道路などを整備する」そうだ。以前の計画では、パルコシティ周辺、キャンプキンザーが返還された後はホテルなどを誘致し観光拠点に…というものも目にした記憶がある。ビーチや観光施設は、防波堤の内側にできる軍港や物流空間のさらに内側に位置することになる。今の浦添西海岸は、水平線に沈む夕陽が良く見える場所だが、この計画ではビーチから見えるのは軍艦である。私には観光ビジネスとして上手くいくとは思えない。どうしたらこの発想が出てくるのか理解しがたいのである。

 私個人としては、ここ2,30年、沖縄で行われた数々の大規模な埋立てにウンザリしているので、環境面からは勿論反対である。反戦の立場からも反対だ。しかし、埋立てを推し進める市長が当選しているのも事実だ。有権者がどこまでの知識をもって票を投じたかは分かるはずもないが、それも含めて、事実である。不思議なもので、普天間基地の辺野古移設を環境や軍事化に反対する立場の政治家、いわゆるオール沖縄のほとんどの政治家は、浦添西海岸移設には反対していない。共産党の議員が反対するのみだ。つまり形としては、沖縄の大部分が反対していないことになる。
 それでも私は、この事業計画から恒久的な利点を見出すことが出来ない。那覇軍港はそのまま改築や増設をして、そのまま使い続けたほうがよっぽどいいとすら思えてくる。この計画の内容が変更されない限り、反対の意思を貫きたい。